
【映画感想】「グランメゾン・パリ」 1/20
あらすじ
尾花夏樹(木村拓哉)は早見倫子(鈴木京香)と、フランス料理の本場・パリで、新店舗「グランメゾン・パリ」を立ち上げ、
アジア人初となるミシュラン“三つ星”を獲得するために奮闘していた。
名だたる巨匠たちがしのぎを削る本場フランスで、フランス料理で“三つ星”を獲得することは、尾花にとっての悲願。
だが異国の地のシェフにとっては、満足のいく食材を手に入れることにすら高い壁があり、
“三つ星”に選ばれるなど夢のまた夢。「グランメゾン・パリ」は結果を出せない日々が続いていた。
そしてあるガラディナーでの失態が原因で、かつての師と「次のミシュランで三つ星を獲れなければ、
店を辞めフランスから出ていく」という約束を交わしてしまう…
かつてカリスマシェフと称された尾花夏樹は、挫折や国境の壁を乗り越え、
仲間と共に世界最高峰の“三つ星”を手に入れることは出来るのか——!?
感想
序盤は酷かった。
ドラマがあったらしいのですが、全く見た事がなく、事前情報なしで観に行きました。
まず最初に観て思ったのが、『なんだこの映画。』という感想。
シェフの言う事を聞かないパティシエ。
ソースの味が悪いと言われたのにも関わらず、シェフに黙って味が悪いソースを使う女性スタッフ。
腕は確かな雰囲気を醸し出してるけど、ディナー会で唯一関与していないデザートが一番良かったと言われるキムタク演じるシェフ。
ドラマ見てないからあれやけど、全員1流っぽい雰囲気を醸し出してる2流って印象でした。
もっと酷いエピソードはあります。
まず借金を抱えているパティシエの所に借金取りが何度も取り立てにきます。
乱闘騒ぎから、家ごと燃やされそうになったり、なんの映画観ているのか分からなくなります。
そして質の悪い食材を交換してもらいに行ったキムタクが、良いものは一流の店にしか卸さないという事が何度も起こります。
かっこいいキムタクを観に行ったつもりだったんですが、序盤はクソダサいです。
後半にいくにつれてボルテージが上がってくる
酷い序盤を乗り越えて、後半にいくにつれてどんどんボルテージが上がってきます。
問題をなんとか乗り越えながら、みんなが一つにまとまっていく様子。
まるでルーキーズをみているかのような青春感。
ミシュラン星3つ獲得に向けて、ホール・キッチン一体となって切磋琢磨している様子が青春だなと感じました。
そしてギスギスしていた関係だったのが、最後全員で協力してコース料理を作っているのが本当に良い。
目標に向かってみんなで努力する姿はもはや羨ましささえ感じた。
「来てくれるお客様全員に喜んで帰ってもらう、そのために協力してくれ」
こんな感じの事を言っていた気がする。
目の前の人を大事にして、その先にミシュランの星がある。
目標を掲げると目先を疎かにしがちだけど、これは本当に大事な共通認識だったと思う。
結論、最高でした。
全部見終わった後、最高以外の感想が出てこなかった。
まず料理の演出が素晴らしい。
シンプルにめちゃくちゃ美味しそう。
それをどんな思いで作ったのかも知っているから素直に見入ってしまった。
そしてフランス料理というものにシンプルに興味を抱いた。
作中でキムタクが言っていた言葉が印象に残っている。
「寿司やすき焼きなどは50年前の人もだいたい同じような味のものを食べていたのだろう。
しかしフランス料理は、多国籍の文化さえも取り込んで日々進化している。
それが面白いと思ったから俺はフランス料理をしているんだった。」
俺もめちゃくちゃ興味を持った。
いつか一流のフレンチのコースを食べに行こう。
もちろん序盤は酷かったというのは率直な感想。
ただそれがあったからこそ後半につながったのとも思う。
自分の中にあるアツいものを掻き立ててくれる映画でした。